骨切り、セットバック、オトガイ整形、口ゴボ。
美容整形に興味がある人だったら聞いたことがある言葉だと思います。
どれもあごの骨に関わる整形のことです。
最近だと有村架純さんのお姉さんの有村藍里さんがあごを整形したとカミングアウトして話題になりましたね。
小顔ブームであること、また、美容整形が昔ほどマイナスイメージじゃなくなったことから、あごの骨を切って小顔にする整形をする人が増えました。
あごを触るということで当然歯も関係してきます。
特にセットバックは余分な歯と骨を取って、できた隙間の分あごを後ろに下げるという手術のため、術後にできた歯の隙間を埋めるために歯の治療が必要になります。
整形を考えるくらい顔を小さくしたいなら、親知らずは抜いた方がいいです。
はっきり言って親知らずは小顔の敵です。
なぜ親知らずを抜いた方がいいのか?その理由を説明したいと思います。
目次
親知らずが生えているだけで顔が大きくなる
整形するしないに関わらず、親知らずが生えているだけで無い場合よりも顔が大きくなります。
あごは歯の数に合わせて大きくなるので、歯が無い方が小さくなるという原理です。
だからといって「歯が少ないほど小顔になるなら抜きまくって全部で10本にする!」なんてことはできません。
ある程度は歯が無いと食べ物が食べられないし、口が動かせなくて喋れない、体全体に不具合が起こって最悪生命活動に支障をきたします。
抜いても生活に支障が出ない歯は、親知らずと小臼歯(第一小臼歯か第二小臼歯片方だけ)です。
限界まで小顔にしたくてもそれ以外の歯は残しましょう。
親知らずのせいで歯並びが悪くなる
あごが小さいと親知らずが埋まったまま出てこなかったり、横向きや斜めに生えてきたりします。
そうすると親知らずはがんばって真っすぐ生えようと、歯茎の外に出るために前の歯を押すようになります。
スペースがないところに無理矢理入ろうとするので、後ろから押された歯が前後にずれ出して歯並びがガタガタになってくるという悲劇が待っています。
よく歯が生え変わる時期にしか歯並びは変わらないのでは?と思っている人がいますが、大人になって全部の歯が生えた後でも歯並びは変わります。
それに親知らずは真っすぐ生えてても奥の方過ぎて歯みがきが難しいのに、斜めに生えていると前の歯との隙間に汚れが溜まりやすく、掃除がしにくくて虫歯になる可能性大という悪循環も。
真っすぐ生えているものはまだ残す価値がありますが、斜めや横、埋まっているものは残していてもどうしようもないので抜く方がおすすめです。
親知らずは虫歯じゃなくても痛みが出たりうずいたりする
親知らずは体調の影響を受けることが多いです。
特に横向き生えていたり歯茎の中に埋まっているものは、体調が悪いと虫歯じゃないのに痛みが出たり、腫れたり、なんか気持ち悪いなという症状が出がちです。
その原因のほとんどが歯茎の炎症。
歯みがきがしっかりできていなくて汚れが溜まると虫歯だけでなく歯周病にもなり、体調が悪い時に症状が出ることが多くなっています。
親知らずの歯周病のことをPerico(ペリコ)と呼びます。日本語だと「智歯周囲炎(ちししゅういえん)」。
智歯とは親知らずの別名です。
ちなみに親知らず以外の歯周病のことはPerio(ペリオ)と呼びます。
最初に働いた医院には「ペリ子」と「ペリ男」というキャラクターがいました。
たぶん結構な歯科医院でペリ子とペリ男ってキャラクター作ってると思います。歯科医院あるある。
厄介なのが、Pericoは親知らずを抜くまで繰り返します。
いつ痛みが出るかわからない爆弾抱えて生活しているよりは、早々に抜いてしまった方が安心です。
じゃあ親知らずを抜こう!ベストなタイミングは?
親知らずを抜くのは若ければ若いほどいいです。
歯は年を重ねることに根っことあごの骨の密着が強くなるので、年を取れば取るほど頑丈になって抜きづらくなります。
ただ親知らずは全部の歯で一番生えてくるのが遅く、20代に入ってからようやく生えたという人もいます。
生えてくる途中だときれいに取ることができないので、成長が止まるまでは待つ必要があります。
親知らずがどんな風に生えているか、もう成長が止まったのかについてはレントゲンで確認することができます。
こちらは口の中全体が撮れる「パノラマ」と呼ばれるレントゲンです。
部分的に拡大して撮るレントゲンもありますが、わたしはこのパノラマが大好き。
ある程度の年齢、歯の状態、あごの状態、鼻の状態までわかるんですよ。
このレントゲンは上の7番目の歯が成長途中なのでまだ若いですね。中学生くらいかな。
体が小さいと首の骨まで写り込みます。左右にある縦長のものが首です。機械の関係で左右に分かれて写ります。
おさげ髪みたいでかわいくないですか?
ちなみにあごの整形をしていると、このパノラマにネジとかが写ってバレます。
話を戻して、このレントゲンだと赤い矢印をつけた下の左右端っこの歯が親知らずです。
丸い袋のようなものに入っているのがわかるかと思います。
これはまだ歯の頭の方はできてるけど根っこができていない状態を表します。
これが何年もかけて成長して袋を破ってにょきーんと根っこを作っていきます。
なので最低でもこの袋から出て根が完成された状態じゃないと抜くことができません。
おすすめの抜歯タイミングは20代前半。学生だとなおよしです。
何故学生の方がいいのかという理由に関しては、親知らず抜歯のときの注意事項に関係しているので後述します。
20代になればほぼ根は完成しているし、そこまで硬くないので抜きやすいです。
体力もあるから抜歯した傷も治りやすいですね。
親知らずを抜くときの注意事項
親知らずを抜くときの注意事項は全部の症例に該当するものと、生え方によって
横向きだったり歯茎の中に埋まっているタイプは高確率で顔が腫れるので、人と対面する仕事の人は要注意。
だから社会人よりは時間の自由がきく学生のときに抜いてしまった方が処置後も楽です。
それから女性は妊娠中に痛みが出てPericoになることが多いです。
妊娠中は麻酔が使えません。絶対使えないわけじゃないけど、使って胎児と母体にトラブルが起こったら怖いので使わない医院がほとんどです。
ということはつまり妊娠中に親知らずを抜くことはできません。
ちなみに用心している医院だと母乳育児の最中も麻酔を控えるところもあります。
そうすると妊娠してから子育てが落ち着くまで抜くのは難しいということになってしまうのが実情です。
結婚や出産というイベントが起こる前に抜いてしまった方がいいですよ。
POINT
- 親知らずは20代前半くらいに抜くのがベスト
- 横向きや歯茎の中に埋まっているものを抜くときは翌日顔が腫れるので仕事に注意
- 妊娠中、母乳育児中は抜歯できないので早めに抜いておくのが吉
まとめ
真っすぐ生えている親知らずなら残してもいいですが、横・斜め・歯茎の中に埋まっているタイプは残していても他の歯の代わりになることはありません。
むしろ炎症や痛みが出て困ることの方が多いです。
歯は植物と同じで最初に種ができてにょきにょき伸びていくんですが、種は早いと胎児のころからできるものもあるのに、生えてくるのは1歳過ぎてからなんですよねー
人体の不思議だなぁと思います。
きちんと生えていない親知らずはトラブルを引き起こすので、特にあごの整形を考えている人は早めに抜いてしまいましょう。
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