歯の治療は難しくない!デンタル迷子から脱しよう!

  1. 歯の治療説明

虫歯レベルC2の治療方法【インレー選抜総選挙】

今回は中度の虫歯、C2のメインの治療法です。

C2ってCRの説明のときに出てきたじゃん?と思うかもしれませんが、虫歯になっている範囲が広いとCRではなくインレー という詰め物で治療をすることになります。

インレーにはいくつか種類があるので詳しく説明したいと思います。

インレーとは

英語のinlayからきていて、~をはめ込むという意味だそうです。初めて調べました。

歯がある程度残っているところにはめ込むものなのでこの名前なんでしょうね。

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こういう感じで、部分的に虫歯になったところを削って穴を埋める治療法です。

削った範囲が小さければCRで対応できますが、大きい場合はCRでは割れるリスクがあるのでインレーにします。

インレーが使えるのは4番目以降の奥歯(臼歯)のみです。前歯には使いません。はめ込むほど歯が大きくないしね。

型取りをし、歯科技工士が作製するものなので、基本的には1日で終わらせることができません。

型取りをして別日に製品を装着することになります。

そして、型取りをして作るものは保険・自費のランク分けがされています。

これめっちゃ重要。どれを選ぶかによって何年レベルで違いが出ます。

インレーの種類

大きく分けて銀色・金色・歯の色の3種類に分かれています。

保険診療で使えるのは銀色だけ。あとは自費診療扱いになります。

銀のインレー

材質の正式名称は「歯科鋳造用12%金銀パラジウム合金」。

パラ、金パラ、銀パラ、12%金パラなんて呼ばれます。わたしは銀パラ派。

成分が金12%、パラジウム20%とJIS規格で決まっていて、残りは銀が50%くらい、銅が20%くらい、その他の金属成分が数% 。

いろんなメーカーが材料を出してますが、金とパラジウムの含有率は固定で、それ以外の金属成分は多少違っています。

メリットは保険が使えるから安いこと。1本1500円くらい。

それだけです。それ以外はメリットなし。むしろデメリットだらけ。

歯は上下がかみ合わさることで多少なりともすり減っています。

何かを食べるとき、話すとき、力むとき、などなど。

天然の歯と天然の歯がぶつかれば、同じもの同士なので力は分散されますが、銀パラと天然の歯だと銀パラの方が硬いので天然の歯によりダメージがきます。

つまり銀パラより天然の歯の方がすり減るということ。

銀パラのインレーだと、周りの天然の歯の部分の方が銀パラ部分よりすり減っていくことになります。

そうすると、下の図のようにインレーと天然の歯の境目(赤い箇所)に溝ができて汚れがたまり、また虫歯になるという負の連鎖が。

ちなみに虫歯治療した歯がまた虫歯になることを「二次カリエス(にじかりえす)」と言います。

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虫歯になったらまた削らないといけないので、どんどん残っている歯が無くなっていき、インレーができないレベルまで歯が無くなるとクラウン(被せ物)にしないといけなくなります。

クラウンについてはまた後日説明しますが、歯を覆ってしまうものになるのでインレーより高価。

それから最近は金属アレルギーの原因が口の中の金属だったということもあります。

銀パラに含まれるイオンが唾液で溶け出して歯に黒く着色するなんてこともありますね。

さらに、接着剤が唾液で溶けてインレーが外れることがあります。

接着剤は体には害がないので問題ないんですが、外れると大概インレーの下で虫歯になっていることが発覚します。

先ほど書いた境目の溝や、接着剤が溶けたことで隙間ができて汚れが中に入り込むのが原因です。

使える接着剤も保険で決まってるのでこればかりはどうしようもありません。

ということで値段が安い以外メリットなし!絶対におすすめしません!

メリット

  • 保険が使えるので安い

デメリット

  • 天然の歯との境目に溝ができてまた虫歯になりやすい
  • 金属アレルギーの心配がある
  • 金属イオンが溶け出して歯が黒くなる
  • 接着剤が溶けて外れることがある、溶けた隙間から虫歯になりやすい

金のインレー

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金のインレーは保険適用外の自由診療(自費)扱いです。

18Kが主流で14K、22Kもあります。24K(純金)も作ることは可能。

厳密には18K=18金じゃないみたいですけど、わかりやすく「うちのゴールドは18金」ってわたしが働いてた医院の先生は言ってました。

その先生の受け売り的なところがありますが、歯のためには金が一番いいと思います。

なぜか?

銀パラは歯より硬いせいで境目に溝ができて虫歯になりやすいと言いましたが、金は歯と同じくらいの硬さなので、境目に溝ができるということが起こりにくくなっています。

また、アクセサリーもそうですが、普通の金属よりアレルギー反応が出にくい。

イオンの溶け出しもないので着色もしにくいという、銀パラの悪いところを排除しまくった有能素材。

さらにさらに、薄く作ることができるので削る量も少なく済むことや、50年以上使ってる人もいるくらいの持ちの良さまで。

本当いいんですよゴールド。なんでもいいならゴールドにしましょうよって患者さんにいつも言ってました。

欠点はまず見た目。さすがに審美的とは言えないですね。

そして金額。純度と大きさによって価格を変えてる医院が多い。

18金だと小臼歯くらいで3万円、大臼歯の多きめなので5万円くらいが平均だと思います。

※小臼歯と大臼歯がわからない人はこれを見てね→歯の位置と名称について【前歯=上の中央2本だと思ってる人へ】
高いけどきちんとケアすれば一生モノだし、歯のこと考えたら一番優れた材質だと思います。

メリット

  • 歯にフィットして溝や隙間もできにくいので二次カリエスになりにくい
  • 物自体を薄く作ることができるので歯を削る量が少なく済む
  • 金属の溶け出しによる着色がほとんどない
  • きちんと使えば何十年と長持ちする

デメリット

  • 見た目が審美的ではない
  • 保険がきかないので高価

歯の色のインレー

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いわゆるセラミックと呼ばれるやつです。

こちらも保険適用外の自費になります。

一番は何と言っても見た目でしょう。天然の歯に近い色にできて、物によっては透明感までそっくりにできるのが最大のメリット。

汚れがつきにくいので二次カリエスになりにくいという特徴もあります。

デメリットとしては、物によってはかなり硬いので、かみ合わさってる反対側の歯にダメージが溜まって悪くなる可能性があります。

物によっては食べ物の色を吸収したり、経年劣化で変色することも。

物によっては物によってはとしつこいですが、セラミックの種類はピンキリだからです。

値段や医院の説明に惑わされないようにしましょう。思ってたものと違うという結果になりかねません。

種類によって変わりますが3~5万円くらいが平均価格かと。

セラミックの種類説明記事はもうちょっと待ってね。

見た目気になるし理想的なのはオールセラミックですよねー特に下の歯は奥歯まで他人から見えるし。

メリット

  • 天然の歯のようにきれいな見た目にできる
  • 汚れがつきにくい

デメリット

  • 保険がきかないので高価
  • 種類がいくつかあり、物によっては変色する

まとめ

歯のことを考えたらゴールドが一番かなと思っていますが、見た目の良さも捨てられないので、自分が治療するなら見えないところはゴールド、見えるところはオールセラミックがいいですかね。

まぁどちらも自費なのでお財布と相談ですが・・・

そしてこのように種類がいくつかあるので、歯を削る前にきちんと説明をしてくれる先生を探しましょう。

削るだけ削って、インレーになりますけど保険と自費どっちがいいですか?と聞いてくるドクターが結構います。

勝手に削っておいて、後から種類と金額の話を出してすぐ決めてってありえないですよね。

とにかく保険の銀パラはおすすめできないので、安易に値段で決めないようにしてください!

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