たぶん日本全国どこ行っても歯医者はコンビニレベル、もしくはそれ以上に存在します。
歯医者の隣の隣のビルにまた歯医者とかざら。
数が多すぎてどこに行けばいいかわからない状態です。
わたしも元勤務先には行きたくないので、かかりつけにできる医院を探してます。
そもそも何を基準に「良い歯医者」とするか。
わたしは「治療が上手な先生」が第一優先です。ほとんどの人がそうだと思います。
でも治療が上手い下手って、実際に体験するか、その医院で働いて治療の様子を見ないと判断できません。
ということで事前に把握するのはほぼ不可能です。
口コミを見て決めるのもありだと思いますが、個人的にはネットの口コミはあてにならないと思ってます。
良い口コミに関しては、「予約が取りやすい」「立地が良い」こんな内容で良いとするものがわんさかあるし、スタッフにヤラセで口コミ投稿させてる医院も見たことあります。
逆に悪い口コミは、「いつも混んでる」「希望通りの治療をしてくれなかった(無理難題を言っているのは自分なのに)」と、明らかにいちゃもん意見もあって、何が真実かわかりません。
じゃあどうやって医院を絞り込むか。
最も確実な方法は「歯科関係者の知り合いを作っておすすめを聞く」です。
一番は歯科技工士。
技工士とは被せ物や詰め物、入れ歯を作っている人のことです。
先生が歯を削って型を取ったものから被せ物などを作っていきます。
つまり先生の腕の良し悪しをよく見て知っているということです。
電話で細かい打ち合わせをして作ったり、できあがったものを直接医院へ持ってきてくれるところもあるので、先生と会話して人柄も知っている可能性が大。
患者さんへの対応はいいけど、医院スタッフや業者にはめちゃくちゃ上から目線で大柄ってドクターもいますからね。
技工士以外にも器具や材料メーカーの人なんかもいろんな医院を知っているのでいいと思います。
と言っても、歯科関係者なんて出会える可能性低いし、仮に出会えたとしても、よっぽど信頼している相手じゃないと、仕事に関わることなので詳しくは教えてくれないでしょう。
だから事前に把握するのはほぼ不可能なんです。
1回行ってみる。これは避けられません。
ただその1回目である程度アリかナシかを決めることはできると思ってます。
わたしが医院を探すときには以下のことを注意するようにしています。
- 治療を始める前に、全体の流れとこれからどんな治療をするか説明をしてくれる先生
- 予約をダブルブッキングさせない
- 受付に固定のスタッフがいる
- 平日夕方以降と土曜日の予約がある程度混んでいる
- 助手に違法行為をさせない
順番に説明します。
目次
治療を始める前に、全体の流れとこれからどんな治療をするか説明をしてくれる先生
「ここ虫歯だから治療しますねー」でイスを倒して削り始めるドクター。論外です。
前に説明した通り、虫歯治療は段階によって内容が変わって、虫歯が大きいと詰め物や被せ物が必要になります。
そして保険治療と自費治療に分かれ、材質の良し悪しと金額が雲泥の差に。
削るだけ削って「ここ詰め物にするしかありませんねぇ。保険だと銀で、白くてきれいなセラミックにしたかったらウン万円だけどどうします?」と、削っちゃって逃げられない状態になってから言い出すドクターかなりいます。
しかも「今決めてくれないと今日型取りできないよ」と脅迫めいたことまで言われる場合も。
そんな状態だと安い保険のでいいやってなっちゃいますよね。
でも保険のものはデメリットがたくさんあります。安易に決めると後悔します。
確かに、削ってみないと虫歯がどこまで広がってるかわからない、ということはありますが、最初から詰め物や被せ物になる可能性が高いとわかることだってあるので、そういうときには事前に材質のメリットデメリットと金額を教えてほしいですよね。
歯を削り始める前に、行う治療の内容説明と、自費に分かれる可能性があるのかを教えてくれる先生がしっかりしていていいと思います。
予約をダブルブッキングさせない
これは勤務時代にも患者としてある医院にかかったときにも体験しました。
普通だったら、治療に30分かかる患者さんが10時に入ったら、次の人は10時30分からと、所要時間を考えて先生1人につき1人ずつ予約を入れていくでしょう。
でも、医院によっては、10時にAさんとBさんの2人の予約を取っているという場合もあります。
Aさんは虫歯治療で通院中で、Bさんは歯が痛くて初めて来た人としましょう。
Aさんは今日は麻酔が必要です。麻酔を打ってから効果が出るまでしばらく時間を置くことが大半です。
なので、時間を置いている間に先生はBさんの方へ行って話を聞き、助手にこれからやる処置を伝え、助手が道具の準備などをしている間にAさんの方へ戻るというような同時進行をしています。
一見うまく待ち時間を利用しているように思えますが、10時に同時に来たらBさんは先生が来るまで診察台で待たされることになります。
大抵先に助手や衛生士から症状がある箇所についていろいろ質問され、待ち時間はないように感じますが、話を聞いても先生以外は治療内容を決めることはできないため、やはり後から先生がもう一度話を聞いて、どんな治療にするか決定することになります。
わたしが助手として働いているときも、この説明の時間つぶしはよくやってました。
細かく話を聞いて先に先生に伝えますが、結局先生からも同じことを聞くことになるので、はっきり言ってムダです。
当時も今もまさに時間つぶしとしか思ってません。
患者さんの中には先生から同じことを聞かれて「さっきスタッフさんにも言ったんですけど~」と前置きをつける人もいました。
当たり前ですよね。数分前に聞かれたこととまったく同じことを聞かれるんですよ。
さっきのやり取りはなんだったの?って感じだし、気になる人だったら「さっき説明したのにバカにしてんのか?」と思う人だっているかも。
衛生士がいれば先に初診の検査を進めることもできますが、助手しかいないところは何もできません。
そして、助手しかいないことがわかることがとても重要で、後のことに繋がります。
それは後で説明するとして、予約がダブルブッキングしていると、これ以外にもムダな待ち時間が発生しがちです。
頻繁に「うがいしてお待ちください」と椅子を上げる医院はダブルブッキングさせてる可能性が高いと思います。
ではなぜダブルブッキングさせるのか。
おそらく売り上げのためでしょう。
歯科の保険料は安く、内科などの他の病院と比べて1人にかかる時間も長いため、より多くの患者さんを診ないと利益が出ません。
なので、1人15分くらいにしてたくさん数を入れたり、ダブルブッキングさせて数を増やしたりしている医院が多くあります。
しかし患者さんはそんなこと知りません。
そもそも予約制で予約時間通りに行っても待たされるってありえないですよね?
わたしが患者として行った医院でダブルブッキングされた話はこちら↓↓
受付に固定のスタッフがいる
スタッフが少ない医院だと、先生、衛生士、受付兼助手の3人で回してるところがあります。
もっと少ないと先生と受付兼助手の2人。
そういう医院は、診療時間内なのに電話が繋がらなかったり、医院に入ってもスタッフが誰もいなくて立ち往生になるということが起こりがちです。
助手がばたばたと受付と診療室を行ったり来たりしている医院は、売り上げがない(人件費削減)、人気がない、先生の腕が悪い、スタッフが辞めたくなる理由があるというようなマイナスイメージしか思い浮かびません。
金銭的にもスタッフ数的にも余裕がある医院は、確実に誰か一人を受付に固定で置いているでしょう。
スタッフが少ない、慌ただしい医院は要注意です。
平日夕方以降と土曜日の予約がある程度混んでいる
平日夕方~夜と土曜日は歯科医院が最も混雑する時間・曜日です。
人気の医院だと土曜日は1ヶ月待ちというところもザラ。
逆にどこの医院でも混雑するこの条件で楽に予約が取れるところは、患者数が少ない可能性大。
たまたまキャンセルが出て早く予約が取れたということもありますが、いつも空いているようだと何か問題があって人気がない可能性があります。
助手に違法行為をさせない
このブログが消されたらこの項目のせいでしょう。たぶん。
歯科業界には、暗黙のルールで「グレーゾーン」と呼ばれるものがあります。
歯科助手にどこまで仕事をさせるかということです。
法律上では、歯科医師の資格がない人は歯科医師業務をしちゃいけませんよ、歯科衛生士の資格がない人は歯科衛生士業務をしちゃいけませんよとなっています。
なので、基本的に歯科助手は患者さんの口の中を触っちゃいけないことになっています。
ただ、明確にこれはしてはいけないと書かれている法律がないことと、現場で致し方ないときもあるため、どの仕事までがOKなのかの線引きが曖昧になっています。
例えば子どもが泣きわめいて口を開けてくれないとき。
助手が指で口を固定させてる隙に先生がささっと歯ブラシをするということがあります。
これは仕方ない場合としてOKでしょう。
但し、歯ブラシ自体も助手がやっていると違法行為です。
歯ブラシによるブラッシングは歯科衛生士の業務です。
それ以外によくあることとしては、詰め物や被せ物を付けた後に、はみ出た接着剤をきれいに取り除くこと(セメント除去と言います)、歯の型取りをすること、歯の掃除をすること、レントゲンの照射ボタンを押すこと(これは衛生士もダメ)などがあります。
セメント除去と歯の掃除を助手にやらせている医院はかなり多いと思います。
歯の掃除も歯ブラシ、フロス、歯間ブラシならまだかわいいもので、酷いと衛生士がするべきである歯石除去までさせているところもあるくらいです。
歯石除去なんて失敗したら歯茎は荒れるし血は出るしで、歯周病の原因になる可能性だってありますからね。
ではなぜ違法というリスクを背負ってそんなことをしているのか?
まず、衛生士の数が圧倒的に足りてません。
ほぼほぼどこの医院も常に衛生士を募集してます。
衛生士は離職率が高く、資格を持っていてもなかなかやりたがらない人が多くいます。
先生や他のスタッフと相性が合わなかったり、国家資格なのに他の資格と比べると給料が低かったりということが主な原因でしょう。
そして雇う院長側も、助手より衛生士の方が給料が高いため、できるだけ抑えたいという気持ちがあります。
なので、衛生士がいないから仕方なくか、衛生士より安く雇える助手にやらせればいいやと思っているか。
どっちにしろよくないことに変わりはありませんが。
ただ、衛生士も助手も大抵女性なので、誰が衛生士で誰が助手なのか見た目で見分けることは難しいです。
明らかに服装が違う場合もありますが、ほとんどの医院がみんな同じ制服だと思います。
大きな医院は名札に「歯科医師」「歯科衛生士」「歯科助手」とわざわざ書いている医院もありますね。
そういうところではまず違法行為はないでしょう。
わたしも名札をつける医院で働いたことがありますが、違法行為はまったくありませんでした。
じゃあ服もみんな一緒、名札もない医院でどうやって見分けるか?
最も簡単な方法は「歯石除去とその後の研磨を誰がやっているか」です。
衛生士がいたら、歯石除去も研磨も衛生士がやることが一般的です。
歯石除去は先生がやって、研磨で他スタッフに変わった場合、ほとんどのケースでそれは助手です。
歯石除去は助手にやらせるのはNGという風潮があり、やらせるドクターはあまりいません。
逆に研磨はOKとしているドクターは結構います。
衛生士だったらクリーニング関連はすべてひとりでできるので、先生が歯石除去をしてたら衛生士がいないかもしれません。
わたしも患者として行った医院で助手さんに違法行為をされたことがありますが、ものすごく下手じゃなければわざわざ指摘して揉めるのがめんどくさい&嫌だったらその医院にもう行かなきゃいいだけの話なので、そこに触れることはしてません。
指摘したら絶対揉めるし厄介者扱いされて二度とその医院には行けなくなりますしね。
間違っていることをしているのは向こうなんですがね・・・
ただ、やっぱり上に挙げたようなことをしている医院には、なんとなく嫌だなぁと感じるので再訪したいとは思いません。
技術、立地、予約の取りやすさなど、「良い歯医者」と決める基準は人それぞれだと思いますが、ひとつの判断材料として今回挙げた内容も注意してもらえたら、良い歯医者を厳選する助けになるんじゃないかなと思ってます。
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