前記事で虫歯ランクについて紹介しました。
簡単にまとめると、虫歯が軽い順から
CR<インレー(詰め物)<クラウン(被せ物)
と治療内容が変わるということです。
今回はCRの治療について詳しく説明したいと思います。
CRってなんぞ
CR(読みはそのままシーアール)は虫歯ランクでいうとC1~C2で使う治療法です。
CRはComposite Resin(コンポジットレジン)の略。
コンポジットは複合、レジンは樹脂。
最近はやりのレジンアクセサリーと同じレジンです。
レジンアクセサリーもどろどろのレジンをUVライトで固めますよね?
それと同じで、虫歯を削り取った穴に歯に似た色のレジンを入れて光で硬化させる方法です。
レジンと残っている歯を接着するって意味でコンポジットなんですかね?たぶん?
治療方法
わかりやすいイラストを見つけました。
これちょっと虫歯大きめなんですけど。
①黒いところが虫歯
②削ります
③虫歯が無くなって空洞ができました
④レジンで空洞を埋めて
⑤UVライトで固めて完成
素早くできる治療です。前歯でも奥歯でも大丈夫。
虫歯が大きくて神経の近くまで削ったときは、レジンで埋める前に神経保護材を塗って様子見→何日かして痛みが出なければレジンで埋めて終わりというときもありますが、大抵即日でレジン埋めて終了です。
注意すべき点
日本全国どこでもできますが、要注意なのが仕上がり。
先生によってどこまでこだわるか変わってきます。
奥歯には表面に小窩裂溝(しょうかれっこう)と呼ばれる溝があります。
この溝が掃除しにくいせいで虫歯になるんですけどね・・・
この溝は主に食べ物を噛みやすくするためについているものですが、溝が無いと噛みにくくなって一生懸命もぐもぐしないといけなくなるので、あごが疲れたり痛くなったりということが起こりやすくなります。
なので、レジンで埋めたときもこの小窩裂溝をちゃんとつけてくれるかが重要。
上の画像ではちゃんと再現されてますね。
のっぺりした見た目で白玉団子ですか?みたいな、単純に穴埋めて終わりって状態になっている患者さんを何人も見てきました。
小窩裂溝がきれいに再現されていると、本当に歯削った?ってなるくらい見た目が自然になることが多いです。
小窩裂溝をちゃんとつける先生はいい先生だと思ってます。
それからCRは前歯にも使えますが、やはり仕上がりにどこまでこだわるか先生によって変わります。
こだわる先生は再度つやを出すための研磨のときに、何個も器具を使い分けてしっかり艶出しします。
爪磨きと一緒で粗目~細かめの荒さが違うやすりがあり、それを使い分ける先生も。
きちんと研磨をしないと歯とレジンの境目が目立ったり、周りの歯から浮いた見た目になったりすることがあります。
歯科治療って全体的に職人って感じなんですが、CRは特にプラモデル作りとかDIYに似てるところがあると思います。
色決めて塗って艶出ししてって感じと、手先の器用さと美的感覚で仕上がりがきれいか雑かわかれるとことか。
そしてどれだけこだわっても保険治療だともらえるお金は変わりません。しかもかなり安い。
だからそれなりな出来で素早くやって数をこなすことを重視している先生が多いのも事実。
時間をかけて丁寧にやってくれるのは、患者さんのためと先生の自己満足です。 サービスです。
だったらサービスしてくれる先生の方がいいし、信用もできますよね。
医院選びの参考にしてみてください。
CRのメリットとデメリット
メリット
- 1日で終わる
- 保険治療で安い
- 色が豊富で天然の歯に近い見た目にできる
デメリット
- 先生の技術やこだわり具合によって仕上がりに差が出る
- レジンは食べ物の色を吸収したり、経年劣化でくすんだりするため、年数が経つと変色する→定期的にやり替えが必要
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